騒音寺ワンマン

 騒音寺のライブ。シンプルで完璧なライブだった。セットリストはまだ更新されてないけど、来月発売の新譜からと、旧曲半々くらい。旧曲は特にレア曲というわけでもなく定番ばかりだったのだが、新曲の素晴らしさと、パワフルなパフォーマンスと、ナベさんのコンディションと、すべてが上手く噛み合っているような感じで、聞き慣れた曲も更に鋭く、更に突き抜けて迫ってくる。一分の隙もない、貫禄のある素晴らしいライブだった。
 新譜の曲は、既にライブで聴いたことのあるものも多いのだが、これだけまとめてされても全く見劣りする曲がないことに驚く。それどころか、何度も何度も聴いた旧曲とも、全く心の上で遜色ない。あまりにも正道な騒音寺のロックンロールが、ひとつひとつに充ち満ちているような、とても筋の通った、素晴らしい楽曲群だった。ナベさんは「シンプル」と今日言っていたけど、まさにその通り、小手先の新しい何かではなく、騒音寺のロックンロールを、愚直といってもいいほど真っ直ぐに追求した、そんなアルバムになっているのではないだろうか。今日先行販売してたけど買ってないのよね。タワレコで買ってインストアライブ券貰うの…。
 あと、京都磔磔での騒音寺にしては珍しく、お客さんのハジけ具合がすばらしかった。モッシュエリアなんて普段現れる気配すらないのだが、今日はすごかったなー。便乗してしっかり暴れてきてしまった。騒音寺であんなことになるとは思ってなかったので、思いがけない楽しさ。騒音寺とか片山とかカルガモとか、あのあたりの京都系バンドのライブに、足りないのは、ああいう、衝動をそのまま全身でぶつける、若々しくて男くさい空気なのだとわたしは思う。なにも、何でもいいから暴れろと言ってる訳でないが、少なくとも騒音寺は紛う事なきロックンロールで、その場においてあの行為はとても自然じゃないだろか。逆が悪いバンドだとは言わないが、ライブで、前の方に男がいるバンドは良いバンドだと思う。悔しいが、ロックンロールを真に愛せるのは多分やっぱり男だ。今日の、あの狂騒、わたしは、今までの騒音寺のライブの中で一番楽しかった。間違いなく。騒音寺の中で物足りなく思っていた部分が満たされた。あの場にいた男の人たちに心から感謝。楽しそうなお兄さん方だった。遠くからいらした方々のようだが、これからも沢山関西の騒音寺ライブにきて、掻き回してってほしい。