音エモン presents LIVE BURGER vol.3

 モーモールルギャバン。しばらく見ない内にえらい垢抜けててびっくりした。一番美味しい時期じゃないかなーって思った。いや、もうちょっと遅いのかも。地道にやってきたバンドが、どんどん色々脱ぎ捨ててきらきらしていく感じ。勢いに乗ってる、てことだろう。助走して崖の縁おもいっきり蹴って上に跳び上がる、そのときの高揚みたいなの。そこからふわって落ちるか、羽根が生まれて飛べるか、そういうときがバンドって一番見てて面白いしわくわくする。モーモーぜんぜん追っかけてた訳じゃないし今どういう状況か知らんが、そんな気持ちよさを感じるライブだった。
 毛皮のマリーズは、最新作の「毛皮のマリーズ」が余り好きではなかった。いや、正直めっちゃ嫌いだった。内容的にがっかりしたのもあるが、そのがっかり作を志磨がはっきり、これがこれからの毛皮のマリーズです、と表明したそのことがとても辛かった。それは多分、がっかりしてる従来のファンに対する決別なんだろうと、わたしは結構すうっと毛皮から離れた。そちらへ行きたいならご自由に。素晴らしい音楽は他にも山ほどある。でも改めてみた毛皮のマリーズは、やっぱりすごくキラキラしていた。毛皮は見始めた頃から結構垢抜けていたし、やっぱり志磨のカリスマ性が群を抜いてて、バンド自体がすごくクリアに見えてた。既に原石じゃない状態で、キラキラしてた。でも、昨日、ああまだ上があったのか、ってびっくりした。なにか満ちあふれたものを感じた。一緒に行った友達が、めっちゃメジャーぽくなったなぁ!て言ってたけど、本当にそう。孤独や懊悩、かつえた感じ、貪欲で、苦しくて、そういう毛皮のマリーズが好きだったけど、昨日の志磨はキラキラしたロックンロールヒーローだった。でもその志磨もとても格好良かった。今までの毛皮はそれはそれでおいといて、また毛皮見ていきたいってすごい思って、嬉しいライブだった。
 髭。ニューアルバムが本当に好きで!どんどんいいものが積み上がっていく。それがもう怖いくらい。この先いったいどうするんだ?新作が出るたびに、解散の文字が頭にちらつく。大幅に路線を変えるでもなく、実験作を作ってみる訳でもなく(Electricは実験作かしら)、ただひたすらブレないで飄々と同じ道をゆき、目新しさもなにもないのに、最新作が最高作、と言えてしまうこの驚異。髭は、もうなんか取りざたされることもなくなっているが、わたしは怪物バンドだと思う。邦メジャーロック界の奇跡だと思う。この多作さとこのクオリティ!拡がり続けてるようで、どんどん熟成されているように感じる。深く深くなっている。しかし深遠に落ち込むことはなく、それを明るく弾けさせて見せるすべも心得ている。決して独り善がりではない。ライブもそれは同じだ。先鋭さというよりも、より深く快楽へ誘う。イベントということで、新作からの曲は余り無かったけど、それでもとても満足のいくライブだった。ただやっぱり何万回もいうけど、黒に染めろと囚人はもうええわ。
 主催の音楽番組ぜんぜん知らなかったけど、良いイベントだった。OAが開演時間前に始まり開演時間丁度に終わるのがすごい好印象。客入れ生演奏。OAってでもこういうことだよ!MUSEも初めてだったけど行きやすい場所で良かった。400くらいって丁度良いキャパね。またなにかあれば行きたい。