2015/4/21

 最近はお風呂で古川日出男の短編集を読んでいる。なんで持ってるのかなこれ、としばし悩んだが、会社の近くの古本屋で買ったような記憶があるような、多分。独特の文体で、追い立てられるような疾走感がある。これは、ど真ん中にぴったりハマる精神状態だったら、たまんないだろうなと思うが、今のところ、真ん中のすこし脇にある架空の心に、深く突き刺さってるのを横目で見ているというような感覚だ。突き刺さっているその心が震えているその振動に揺れている感じ。ただこれはいつか、自分のど真ん中に刺さる日が来る予感はする。ヒリヒリとした情感が、背中のすぐ後ろに迫っている感じがする。この距離感は、小説と言うより音楽のようだ。大事にしたい。
 古川日出男は、「ベルカ、吠えないのか?」しか読んだことがない。向井秀徳と朗読セッションしてたやつだ。あれは素晴らしかった。ベルカ〜も良かったような記憶があるのだが、誰かに貸してそのままになっていて、多分再読はしていないな。また買って読もうかしら。

 あと少し前にスタンダードブックストアで買ったウィリアム・モリスの「ユートピアだより」を日中読んでいる。一体何の本なのか解らずに買って解らずに読み始めたが、モリスによるユートピア小説のようだ。22世紀のイギリス。理想のくに。タイムスリップしたモリスがその中を歩く。あまりにあまくうつくしく、もう本当にあまく、泣けてきてしまう。あまいユートピアを夢見るくらいは、許してほしい。こういう世界を理想として掲げることはしないし、そういうのはきらいだけど、うっとりと夢見るあまさを許してほしい。誰にその許しを請うのかよく解らないが、そういう気分になる。
 そういう気分になる本を、仕事の昼休み使って読むのは本当にあぶないな!いろいろぶんなげて現実逃避したなるわ。カルトとかコミューンとかそういうの、忌避しとるけど、こりゃあタイミングによってはヤバイかもしれない。だめだだめだ、現実を見据えて生きなければ。

 なんか結局ブログが読んだ本録になってしまっているな。本の感想とか、読書記録つけてる読書メーター(ちなみにわたしのユーザーページはここです)に書きゃあ良いような気もするのだが、大体本の感想にかこつけた自分語りなので、それもどうかなあって思って。