2015/3/29

 「残酷な神が支配する」(萩尾望都)を2週間くらいかけて読み返していた。大好きすぎて、改めて何か感想を書きたいとかもはや思わないのだけど、読み終わったあとにはいつも、いろいろな感情があふれ出る。愛することと、暴力、憎しみ、支配、の混乱。文庫版全10巻という長さをかけて、描かれなければならなかった被虐待児のグロテスクなトラウマと、さまざまに歪な愛と家族のかたちと、不完全な人間たち。「子供は親の神への供物であり、親の人生の供養として存在する」のあたりは、萩尾望都の作品のいろんなところに見られる感覚だなあと思う。
 なんとなく、twilogで「残酷な神」で検索して見ると、「〜読み終わって愛について考えてる」みたいに何度か書いてて、変わらないな〜ってちょっとおもしろかった。
 このインタビューおもしろかった。
取材◆萩尾望都に聞いてきた (1/3) / KENBUNDEN – 見たい、聞きたい、伝えたい 取材◆萩尾望都に聞いてきた (1/3) / KENBUNDEN – 見たい、聞きたい、伝えたい

 あと「エンダーのゲーム」も読んだ。映画化されてたやつ。SF名作として名前よく見るけど、映画化されたせいで逆に手を出しづらくなり(新版の表紙がラノベぽくて恥ずかしい、あとミーハーみたいで恥ずかしい、という恥ずかしい理由で)、ウーンと悩みながら結局古本で旧訳版購入。好きか嫌いかで言うと好きではないかな!て感じなんだけど、おもしろいのはすっごいおもしろかった。ハーこれすごいな!!という読後感。なんだろう、これ以外の感想が特に思い浮かばないが。終盤がとにかくすごく良い。あと全体的に映像化するのはすごく見応えがありそう。映画版もそのうち見てみよう。あと87年に出た訳なせいか、いろいろ文章が独特で味わい深かった。こういう翻訳調の文章好きだ。でも新訳版も読みたくなったな。あんまり今まで翻訳小説の訳って気にしたことなかったけど、読み比べるとおもしろいのだろうな。また今度新訳で買ってみよう。続編もいろいろあるそうなので楽しみである!