7月11日

 お昼ご飯によく会社近くのセルフうどん店でうどんを食べる。だいたい、かけ小+天ぷらふたつ、たいていの場合天ぷらは、レンコンとちくわ、或いはレンコンとサツマイモ、少しリッチな気分の時は、レンコンとささみです。かけ小+レンコン・ちくわだと、280円ちょっとなのでお財布にも非常にやさしい。レジ打ってるおばちゃんがすごいサザエさん声だったり、うどん作ってくれるお兄さんが知り合いにちょっと似てたり、まぁ長居する店じゃないけど、なんとなく居心地は良い。
 最近は暑くなってきたので、ぶっかけやざるといった冷たいうどんに惹かれます。そこの商品写真がなんかえらいきれいな写真で、うどんをわざわざ屋外に持って行って撮ってるのか、アップのうどんの背景に道路、みたいな、でも陽光の下ほんとうに美味しそうに撮れていて訴求力抜群。見る度に、ああわたしも次こそは今月のサービス品である柚子塩温玉ぶっかけを食べよう!と思うのだけど、どうしても、かけ小、て言ってしまう。かけ小の呪いにかかっています。ああ、冷たくてこしのある麺をもぐもぐしたい!と思いながらも、出汁のにおいをかぐと、出汁が飲みたい!という欲望に勝てない。わたしの中でうどんは、出汁なのでしょう。うどんという言葉が、あの白い麺を指していることは解れども、出汁の中に浮かぶ具材のひとつとして、うどんを愛しているのだと思います。
 もちろん、ぶっかけ好きです。釜揚げも、ざるも、うどんすきも、すき焼きのうどんも、焼きうどんも。でも、「うどんが食べたい」という欲求の先に、ぶっかけやざるがあることはない。むしろ、十分出汁を染ませたささみの天ぷらや、よくしみるように小さく砕いたサツマイモの天ぷらの方が近い。うどんとはいったいなんだったのか。とにかくわたしは出汁を、ごくごく飲みたいのだ。わたしのうどん欲は出汁欲です。

 でもぶっかけも食べたい。ぶっかけとかけ小、という珍妙な注文をする勇気がほしい。