中之島アート特区という妄想

 大阪市立近代美術館建設予定地に、おっきな美術館を建てる。大阪市立近代美術館と、サントリーミュージアムが入る美術館だ。基本的には大阪市立近代美術館で、サントリーミュージアムが間借りしてる感じ。収蔵庫もひとつにしてふたつの美術館の所蔵品一括で管理してしまう。合同企画の展覧会を年に1回くらいして、でも他は全部別々の活動。展示室も事務室も別だけど、オモテの運営はどちらもサントリーミュージアムと同じSPSに委託し、あの美しく流暢で丁寧な接客とサービスを一貫させる。1フロアどどーんとミュージアムショップとカフェ。レストランは別。国立国際美、東洋陶磁美、私立科学館との連携パスや割引、優待も作る。大阪で美術見たい人がとりあえず行くエリアにする。WTCに市役所機能を移転させ、残った現市役所のハコは、大阪の文化・アート発信の中心部にする。特にどの美術館にも属さない美術講座や、ワークショップ、若手アーティストの発表の場、人材斡旋、オープンアトリエ、諸芸大、美術系専門学校のサテライト、などなど。ウォールポケットが壁から天井からずらーっとかかってる部屋があって、そこには全国の美術館のチラシが整然とかかっている。過去のチラシの画像データのアーカイヴもあって、PCから自由に検索・閲覧できる。講座は、子供向けのものからシニア向けのものまで。大阪の近代建築や、歴史についての講座もある。週に1度くらいの割で、美術館へ行ってみたい人へ、という講座があり、大まかな美術のジャンルや、それに沿った美術館の案内、そして展覧会場でのマナー、その理由などを教える。大阪で美術がしたい、美術のことが知りたい、なにか良い美術を見たい、という人がとりあえずまず行く場所にする。中之島のあちこちに小さなステージを作る。休みの日には大道芸の人がそこで演技したり、音楽家の人が音楽を奏でたりして通行人を楽しませる。大阪の子供達はそこで鋭敏な感性を育て、表現することの喜び、或いは表現することの尊さを知る。