角谷美知夫


角谷美知夫 / 現実

 K2で借りてきて、すごく気に入ってしまった。腐っていくテレパシーズ。背中からぐずぐず肉が崩れ落ちていくような感じがする。途方もない奥行きと空洞と、そこを満たす孤独のようなものをを感じる。ゆらゆらする。揺れるたびになにかが落ちていくような感じがする。頭がおかしくなりそうな、でも逆にそこへの距離を感じる。なにかが見えてきそうな、でも決してなにも見えないことも解る。聴いてるとしんどい。苦しい。喪失感や満たされない気持ちだけが広がっていく。嘔吐しそう。真っ黒に爛れた恐ろしく醜悪な物を、でも吐いたとして、ただの汚い吐瀉物であることも解る。しんどい。こんな状態でこれを聴き続けたら、気違いになれるんだろうか。なれないことも知ってるよ。ただ苦しいだけだ。出口なんてない。でも聴いてしまう。