話すこと

 自分に関して言えば、口で話すことよりも文章で書いていることの方が圧倒的に本音に近い。話すときは、本当のことを伝えるよりももっと気を遣う部分や考えないといけないことが多くて、なかなかそこに辿り着かない。会話の流れをスムーズにすること、前にいる相手を傷つけない表現をすること、ここにいない誰かを貶めない表現にすること、相手の言葉の裏にある真意を探ること、相手がなにを言ってほしいか考えてそれと自分の考えやテンションの妥協出来る着地点を見つけること、時間的空間的制約、考えれば考えるほど真意から遠ざかっていくけど、それがコミュニケーションだと思って今まで生きてきた。生のままの考えや言いたいこと、感情は、特定の相手が存在しないインターネット上に書き散らして、読んでくれる人がそれぞれ受け止めてくれればいいやと思って生きてきた。でも今日、ネットとリアルのテンションが違って気持ち悪い、前者は表現がオーバーで気持ち悪い、お前はいつも思っていることを口で言わない、だから疲れる、みたいなことを人に言われたのでいろいろ考えた。思ってることをそのまま言うってどうしたらいいんでしょうね。そもそも言う必要なんてあるんだろうか。インターネットをやめればいいんだろうか。人と付き合うのをやめればいいんだろうか。うまくいくこともいかないこともあるけど、一番うまくいかせたいところでうまくいかないことだらけでしんどい。インターネットとリアルのテンションが違ってて気持ち悪い、とは初めて言われたけど、思ってることを言わない、というのは母親にも攻められる。言わない、言えない、というただその一点が非常に大きな障害となっている自覚は存分にあるし、直す気ねえだろ、と言われてまた傷つくのだが、直したい気持ちだって沢山あるのに、ねえだろ、と言われて、努力が相手に見えないなら存在しないのと一緒だよなーって思って、やっぱり言い返せない。そういうことをダイアリに書く自分の卑怯さもほとほと嫌になるし、でもどうやって伝えたらいいのか心底解らなくて、消えてしまいたい。楽しいことだけを書きたい。ライブや音楽や友達と遊んだことや美術のことやそういうのだけを書きたい。