ミドリ色の板



△ミドリ色の板

 前家で使っていたデスクトップPCを解体した。新しいノートを買ってもうヒトツキ以上経つ。ずっとしなきゃなーと思っていたのだが、今日バイトが妙に忙しくて、そのハイテンションの続きで帰宅後着手。もう何年使っただろう。下手したらWin98とかが入っていたかもしれない。昔、父親に組んでもらったパソコンだった。ネジをまわしながら、父との目に見える繋がりがひとつ消えていくなぁと思っていた。5年程前から父とは別居している。父は元々電器系の仕事をしていたのだが、気が付いたらPC組んでいた。PCを買ったのは多分win95が出た時に買った初代だけで、何か知らん、うちではPCは買うもんじゃなくて父が組み立てるもん、という風になっていた。自分でPCを組むというのが、安く上げる為じゃなくてスペックの為の行為であることに気づいたのは、結構最近である。むしろ組んだ方が高いのね。OS入ってないし。Officeもないし。



△蓋を開けたPCと覗き込む猫

 父が組み立てているのを何度も見ていたが、今日初めて自分でカバーを外して中身を顕わにしてみると、異様にテンションが上がった。赤や黄色や黒の細いコードがのたうち回り、グレイの何やらオビみたいなのが更にのたうち回り、その下には翡翠色のマザーボードが。ぎゃあああああなにこれアート!?きれい!かっこいい!うつくしい!!!父に対するアンニュイな感じは一瞬で消え失せ(基本的にそんな感じで生きている)、次から次へと現れる基盤の美しさと、パズルみたいな解体作業にだだハマり。3時間くらい没頭してこれ以上外すネジはないというところまで解体した。母親は呆れながら見てた。母の部屋で作業していたので相当邪魔だったと思うが、家の為のことなので何も言われなかった。
 だがわたしが、この美しいマザーボードとか基盤類はわたしが保存する!と宣言したら、ぎゃー!なにやめて!!と本気で叫ばれた。



△何言ってんのどう見ても宝の山

 まぁ全部とっとくのは流石に母が可哀相なので一生懸命さっきお風呂で厳選して洗ったのが上の写真の物である。埃取れてつやつや!いつまででも眺めていられそうだ。細密で幾何学的で美しすぎる。メカニカル万歳!と中学生男子みたいな目覚めをした今日だった。マザーボード壁に留めて飾れないかさっきからかなり真剣に検討している。ネジ穴に画鋲刺しても重さがあるから厳しいよなぁ。



△奥の白いのは猫の足

 あとお気に入りがこれ。CDドライブから取り出した、なんか読み込む部分。この透明な所は絶対触っちゃだめ、て父に教えられた。べたべた触ってるこの背徳感!ころん、としていて可愛い。そして格好いい。ゴールドの配線がオサレだ。因みにこのPCは古いので、読み込みするドライブ、焼くドライブ、DVD用のドライブ、と3つついていた。2つはガッツリ解体できたのだが1つ途中で詰んでしまって心残りだ。
 今日もかなり写真撮ったのだが、PCで見てみるとかなり埃が目立つので、また今度洗ったあとのやつも撮ろうと思った。晴れた日にベランダで撮影会しよう!しかし何だろうこれ、ノイズミュージックによって工業的感覚が喚起されたのだろうか。今日確かに何かに目覚めたの、スイッチ入ったの感じた。どきどきする。