RSR、外出

 午前中テントに防水スプレーを振りかけた。ベランダでしようと思ってたのだが思いの外テントでかくて。マンションの屋上でしようかと思ったら屋上へ続く階段の鍵がつけかえられていて。仕方なくマンションの廊下でする。突き当たりの部屋なので、廊下を使うのは我が家の人間と訪問者しかいない。だが結構後ろめたい。素早く済ませた。効果あるかわかんないけど、まぁ気休めにはなるよね。
 学校に行った。久しぶりに会う人がいて嬉しかった。爛れた生活してんだって、と冗談交じりに言われ、健全に生きてますよ!!!て言って帰った。桃を一切れもらった。
 ホルモン食べにいった。今まで生きてきた中で一番美味しいセンマイであった。
 明日RSRの打ち合わせに友達が来る。だけどあんまりRSRのこと考えたくない。とりあえず今は荷物の事前送付の締切だけ頭に刻みつけてる。それだけクリアしたら後はもうぼんやりしていても大丈夫だ。
 この、楽しみであるべきイベントが楽しみになれない感じ、以前にもあった。大学2回生の夏、母とスペインに行ったときだ。普段貧乏国内旅行しかしないわたしたちにしては結構なお金が動く旅行だったのに、テンションは全く上がらなかった。母はその年の1月に癌の手術をしていて、治ってはいたのだが色々鬱状態に近い感じで、わたしもそれに引き摺られていた。今しか行けない、という思いで旅行社に飛行機とホテルの手配を頼み、死んだ目で荷造りして、辛うじて旅行本は握りしめて、どこ行くかとかは飛行機で決めよう、という悲惨な状態だった。それでも夏のスペインは否応なしにテンション上げてくれる。穴だらけの計画、穴だらけの荷物だったけど、それすらげらげら笑うくらいの。スペイン2回目ということもあっただろうけど、特に危ない目にも遭わず、大きなトラブルもなく、2週間くらいスペイン各地をふらふらして過ごした。
 RSRも、こんな感じになればいいとおもう。穴だらけでも、胃が痛くても、寂しくても、着いたらきっと、RSRの魔法が、かかってくれるはずだ。ぼんやりしてるだけで、人生最後くらいの幸福が頭から降り注ぐはずだ。