毛皮ズ志磨と清志郎


毛皮のマリーズ / ビューティフル (PV)

 先日のShangri-laワンマンは演奏面でもパフォーマンス面でもとても良いものだったが、もうひとつ印象的だったのは、今月頭に逝去した忌野清志郎についての長いMCだった。スタンドマイクの前にスッと立って、ほとんど演説といって良いくらい、志磨は長々喋り続けていた。はっきり全て思い出せないけど、自分は清志郎がとても好きだが彼が死んだことは悲しいと思わなかったのだ、という導入から始まる。なぜなら彼は、自分の一生を通してその生き様を我々に見せてくれた、ロックを始めて、子供が、自分の何より大切な守るべき存在が出来て、それを傷つけようとする様々な存在に対して怒りを覚えて戦って、それでも新しいブルースが立ちはだかって、ついには死んでしまったけど、若い人が突然死んでしまうのとは違って、清志郎は大きなことを成し遂げて、人生をしっかり生きてから死んだ、だから自分は彼の死に対して納得ができた、そしてその納得した瞬間、彼の存在は終わることなく自分の目の前に、色んな人の目の前に続いていくのだ。というようなことを淡々と語り続けてた。拙い文章力で文字化しても余り伝わらないとは思うのだけど、とても良いMCだった。
 志磨のライブでの喋り方というのは、いつも何か外人ぽい。丁寧語だし、言葉の端々がカタカナみたいなニュアンス。そういうキャラ作りかなーと思って楽しんでいるのだけど、このMCに関しては、とても普通な喋り方で、真摯に語りかけている感じがしたなぁ。こういうのが聞けるのもワンマンならではだな。あと、ブルースのくだりで、ブルースって解ります?音楽の種類なんですけどね、明日バイトやだなーみたいな、そういう気持ちです、皆さん明日仕事とかあるでしょ?そういう気持ちです、って言ってたのがおもしろかった。
 冒頭に貼ったのは、今出てるアルバム「Gloomy」の前に発売されたシングルから。「恋を越えろ」にしようかと思ったんだけど、やっぱりこの曲が一番好きだ。ライブでされると泣ける。ビューティフルに生きて死ぬための僕らの人生。