idとかいろいろ消した話


 忘れてしまわないうちに書いておく。前のidやmixiアカウント消した、その衝動の起因になったもやもや。
 大きな一つの理由は、音楽を楽しめないことに気づいたからだった。日常生活がいっぱいいっぱいだった。人生が詰みに詰んでてどうしようもなかった。誰かに相談しようにも上手く出来なかった。自分が駄目すぎてさっさと誰かに殺して欲しかった。あんなに仲の良かった母親との距離も開き始めちょっとまともに会話したらほとんど最後は険悪なムードになり時には喉が枯れるまで泣きわめき髪を掻きむしり物を投げ殴りかかるというような、酷い状態だった。そうしないと何も伝えることが出来なかった。そんな最悪な生活の中音楽は唯一の希望でありつづける、そんな風に期待していたが実際はそんなことなかった。音楽は何の救いにもならなかった。むしろ新たな重圧のようにすら感じた。それは多分、わたしの周りにある音楽が多様化・多層化しすぎていたからだと思う。
 ひとつの音楽を好きになる。それにのめり込んで、そればっかり聴く。夢中になる。それが一番幸福な状態だと思う。いつの間にか、その周辺の音楽が気になる。そのバンドがリスペクトしてるバンドが気になる。そのファンの人が聴いてる音楽が気になる。音楽を通して友達が出来る。その友達が好きな音楽が気になる。「気になる」と思って素直に聴けるときも幸福だ。今はmyspaceで容易に試聴出来るし、CDが欲しくなったら通販だってある、買わなくてもK2やTSUTAYAでレンタルすればいいし、あれな話レンタルショップや友人から借りたCDはPCに放り込みさえすれば手元になくてもいつだって聴ける。何の障害もない。それは、本当に幸福だと思う。音楽はどんどん広がっていく。両手の届かないような範囲までほとんど無限に広がっていく。素敵な音楽は世界に溢れてる。身に余るほどに。
 だけどそんなこととは関係なく、人生や心がままならなくなる。色んなものがのしかかってくる。焦燥感でお風呂わかせそうなくらいジリジリしている。ふと気が付けば、自分の周りに広がる音楽は余りにも広い。ずっと遠くの方まで、「次ここ聴く」「これ気になる」「これ借りたけどまだ聴いてない」というよな旗が立ってる。うわっと思って気が付けば、それらまでもわたしにのし掛かってくるようだった。早く聴け歩みを止めるなチケットを買え音源を手に入れろそして早く聴け、と。ライブに行っても集中出来ない。焦燥感は消えない。こんなことしてる暇あるんならさっさと何かしろ、しないなら死ね。以前みたいな夢中になる感じ、どこ切っても幸福!金太郎飴状態!愛してるぜ世界!みたいな感じは微塵もなかった。勿論家で音源聴いてる時も同じだ。ここ4年と通して1年の内最も幸福な2日間であるRSRすら余り楽しみじゃなくなった。うわーどうにもならない!音楽は救ってくれない、むしろ焦燥感に更なる薪をくべる、なにも楽しくないし幸せじゃない。わたしにとって幸福や快楽を象徴するものが音楽だった。それが楽しくなくなるということは、わたしの生活から楽しみや快楽がなくなるということだった。一切合切つまらない。
 そう思ったとき突然すべてのものが惜しくなくなった。その内のひとつがはてなidだった。今までこれだけは消さないと思ってたidである。ダイアリ始めて4年以上経つ。被アンテナも増えた。ハイクも楽しかった。オフとかには参加してないものの、Followで繋がる関係はとても心地よかった。でもネット上のわたしのアイデンティティなんて8割方音楽である。現実でも大して変わらないけどな。そして自分を苦しめる拡がり続ける音楽、それを担うのは間違いなくインターネットであり、重度のはてなユーザーである自分にとってインターネットとはてなはほぼ同義だった。消してしまおう何もかも!と閃いた午前3時とても気が晴れたのだが、まぁ一晩頭を冷やそうと思った。翌朝朝食を食べて学校行く用意をして何となくPCつけて昼ご飯食べて家出る直前idを消した。翌日だか翌々日だか、mixiのアカウントも消した。そしてituneのデータ入れてた外付けHD引っこ抜いて押し入れに仕舞い込んだ。だいぶすっきりした。拡げ続けてた腕を縮めて、膝を抱えギュッと小さくなったような心境だった。
 そして、膝を抱えてギュッとしたときに真ん中辺りに残る音楽、それだけを聴こうと思った。エレファントカシマシだけ内臓HDにインポートしなおして、そればっか2週間くらい聞き続けた。結構幸せだった。もうこれで良いわ人生、と穏やかな気持ちで生きていたのだが結局駄目らしい。気が付けばノイズにはまった()。更に気が付けば大滝詠一はっぴいえんどにもダダはまっていた。いつのまにかサンハウスとか聴き直してにやにやしてた。よくわかんねーけど、やっぱ自然とこうなるねんなー。一ヶ月も我慢できんのかわたしは。でも衝動に裏打ちされて音楽を聴く楽しさは、久しく忘れてたもので、別に人生の詰み具合は一切変わってないしむしろ時間が経つにつれ更に詰んでいくんだけど、わたしは今結構楽しく音楽を聴いて生きている。あれが聴きたいこれ聴いてみたいとわくわくしてる。ダイアリもブクマも再開したし。消した理由、これだけじゃないっちゃないんだけど、大体はこんな感じだった。結局キャパ小さいしバカなんだよな。まぁだらだら、色々再開していきたい。

2009/6/6