nikki

祖母のこと、その死と新型コロナ

父方の祖母が死んだ。97歳だった。ここ数年は寝たきりで父が同居し叔母とともに介護していた。最後に会ったのは正月だった。寝付いてからは認知機能も衰え、わたしのことも、孫だと解って喜んでいるようなときもあれば、気のないそぶりでフイとされるときも…

妊娠

妊婦になって思ったことや考えたことを記録しておこうと思う。それまで一人の独立した生物として生きてきたはずだったものが、妊婦となった途端、個人の嗜好や自由を引き剥がされ、人肉保育器となるのだ。ということを、妊娠してから4カ月ほど勤めていた職場…

結婚して、大鹿村というところで暮らし始めた

長野県の南の方の、山の奥にあるちいさな村だ。 生まれてから29年、大阪のまんなかで暮らしてきたわたしにとって、大きな環境の変化だが、実際のところ外から思うほど、ストレスを感じているとか、戸惑っているとか、困っているとか、そういうことはあまりな…

カボチャの種を剥きながら考えたこと

外皮の白いきれいなカボチャをいただいた。カボチャと言えば、あの鬼のようにかたい皮と実を包丁が突き抜けたときのサックリとした手応え、割るとあらわれるてらいのない鮮やかな黄色。それが好きで、一人暮らしなのにどうもカットカボチャを買う気になれな…

欲望

たとえば、という書き出しが好きだ。何を何にたとえるのか定かでないまま、今日はなぜだか頭の中でずっと、たとえば、という出だしがうずまいていた。たとえば、の後は続かない。思考は一旦霧散して、そのあとまたどろりとした水底から気泡がうかびあがるよ…

6月に読んだ本まとめ

ちょっと今更だけど。2015年6月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:2764ページナイス数:0ナイス よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方 (セレクトBOOKS)読了日:6月30日 著者: アサーションという言葉には最後までなじめなかったが(…

足りないもの、足りたもの

28年暮らした実家を出て、ひとりぐらしを始めた。家から持ち出せるものは持ち出して、また人からいろいろ頂いたりして、それでも買わないといけないものは沢山あって、でもお金はぜんぜん無くて、なので、無い状態から始めて、必要だと感じたものを順次用意…

5月に読んだ本まとめ

2015年5月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:3261ページ ナイス数:0ナイス王妃の館〈下〉 (集英社文庫) 読了日:5月3日 著者:浅田次郎 最後まで読むとやっぱり良い小説である。ぶっ飛んでる感すらあるハッピーエンドに安心する。 ドグラ…

スマホ変えた

3年ちょっと使っていたARROWS(ISW13F)がいよいよくたびれてきたようなので、INFOBAR A03(★)に変えましたん。赤がダントツかわいいんだけど、ARROWSが赤だったので、違う色がいいなァと思って青色にした。かわいい。電気製品は見た目を過剰に重視するわた…

4月読んだ本まとめ

読書メーターに一ヶ月まとめ作れるところ見つけたので、それに加えて感想とか少し。関連エントリって書いてるやつは、弊はてダ内のリンクです。

2015/4/27(KILLS)

昨日くらいから、久しぶりにThe killsを聴いてる。大好きなバンドだ。洋楽の中なら間違いなく一番好き。どのアルバムも好きだけど、初期の荒々しいギターは背中のまんなかを気ぜわしく這い上がってくるようで、もうそれだけでむちゃくちゃにえろいのに、そこ…

2015/4/26(展覧会とボリショイ)

昨日は、昼間に肉筆浮世絵展@大阪市美、夜にボリショイバレエのライブビューイングと、一日中うつくしいものに触れられて良い日でした。 肉筆浮世絵展はとにかく着物がめちゃくちゃかわいい。あれは花見してる遊女とか歩いてる遊女とかはたまた手紙読んでる…

2015/4/23

昔は毎週末やってたんだけど、最近してなかった。会社から、歩いて帰った。今日のルートでだいたい5.5キロ。寄り道しなかったらわたしの足で80分くらい。今まで、なぜか御堂筋まで出て南下するというルートだったのだが、何も御堂筋にこだわらなくてもよいの…

2015/4/22

昨日書いてた古川日出男「ルート350」読み終えた。最後の2編をお風呂で読んでいて、ふうっと息をついて姿勢を変えたときに、はさまっていた文庫のしおりが抜け落ちて、風呂の湯の中に沈んでいった。それがあまりにまっすぐ、垂直に落ちていったので、なにか…

2015/4/21

最近はお風呂で古川日出男の短編集を読んでいる。なんで持ってるのかなこれ、としばし悩んだが、会社の近くの古本屋で買ったような記憶があるような、多分。独特の文体で、追い立てられるような疾走感がある。これは、ど真ん中にぴったりハマる精神状態だっ…

2015/4/16

ちょっと前に買った、ダーマ&グレッグという海外ドラマのDVDを、ちょっとだけと思いつつ結局ディスク1枚分見てしまった。出会ったその日に結婚した、ヒッピーの両親に育てられた自由奔放な女と、上流階級育ちのエリート検事補の夫婦を中心としたコメディで…

2015/4/15(アトリエインカーブの本など)

仕事で京都行った際に立ち寄った京都国立近代美術館のミュージアムショップで、「アトリエインカーブ ―現代アートの魔球」という本を衝動買い。アトリエインカーブは、今は亡きサントリーミュージアムのミュージアムショップでグッズを取り扱っていたことか…

2015/4/07

TVの録画しているHDがいっぱいになっていたので整理していると、もうめくるめく「必殺仕事人」「子連れ狼」の嵐で我ながら呆れた!見たものは消してるからほぼほぼ見てないのばかりで、これいつになったら見終わるのやら。素浪人花山大吉も何本かあったけど…

2015/4/06

最近頭の中でいろんな記憶がカオスだ。仕事でよく新聞を見るのだが、ぱっぱっと見出しを追いながら次々とみていると、そういうカオスな記憶と視界に入る膨大な情報が、よく解らない具合に時々結びついて、一見まったく関係なさそうな思考や別の記憶や経験や…

2015/3/31(大滝さんのこと)

大滝詠一さんが亡くなってから、一度も自主的に大滝さんの音楽を聴いてはなかったのだけど、今朝はどうしても、「おもい」が聴きたい気分で、悩んだすえ、とても久しぶりに大滝さんを聴いたのだった。 大滝さんを好きな人はすごい沢山いて、そのマニアックさ…

2015/3/29

「残酷な神が支配する」(萩尾望都)を2週間くらいかけて読み返していた。大好きすぎて、改めて何か感想を書きたいとかもはや思わないのだけど、読み終わったあとにはいつも、いろいろな感情があふれ出る。愛することと、暴力、憎しみ、支配、の混乱。文庫版…

2015/03/25

通勤時はipodでアーティストごとのシャッフルにして音楽を聴いているが、朝「今日はこれ聴こう」というのがハッキリしている時や、なんとなく再生した音楽がすごくハマるときというのは、調子が良いというか、精神的にも安定している。逆に、何が聴きたいの…

高取城跡

ぐねぐねした山道を上がっていくと、突如苔むした石垣が現れる。高取城という、山城の跡である。天空の城としてえらい有名になった、竹田城に、勝るとも劣らないと連れていってくれた母は言う。奈良のマチュピチュだそうだが、マチュピチュはおろか竹田城す…

2015/3/17

今日は振休消化の休みだったのだが、あまりに進まないシャチョーの宿題を終わらせるためでもあったので、夕方くらいまでは引きこもってがんばっていたのだけど、もうあまりに嫌になって、散歩がてらアメ村のスタンダードブックストアへ。ディストピアSFにど…

2015/3/16

なんか色々書こうと思いながら会社から帰ってきたのだけど、書きたかったことを全部忘れてしまった。会社からプール行くの、最近歩いて行ってるんだけどもすごい楽しくてすばらしい。大阪の地下鉄って、ホームにしろ車内にしろなんか気が滅入るので、乗らな…

2015/3/11

鈴木しず子の本をやっとこさ読了。読み終わらない本が好きだ。内容がややこしかったり、文字が小さくて行間がつまってたり、表現が繰り返し繰り返し同じ部分を読んでしまうくらい美しかったり(昔のSFってそれらの点ですごい良い)。この本は、読み終わらな…

2015/3/9

なんかいろいろ深く考えないようにしようと思っている。 サンテレビやKBSでやってる再放送の時代劇が好きで時々見ているのだが、今日は御家人斬九郎ていうのを初めて見た。渡辺謙が主演で、そのお母さん役が岸田今日子。途中から見たので話の筋はさっぱりわ…

2015/3/8

秋田昌美の「快楽身体の未来形」読んでる。いろいろな雑誌に発表された文章をまとめてある形式なので、ひとつひとつがそんなに長くなく読みやすい。秋田さんが本に書かれるようなディープなフェチズムに関して、わたし自身が特にどうこうっていう訳ではない…

2015/3/7

雨だというのにロングスカートで外に出てしまい、イケてない日だった。仕事帰りに古本屋に寄る。不穏な感じのメールが来て、内心結構怖いのだけど、のんきな感じの返事を打つ。 しづ子 娼婦と呼ばれた俳人を追って、という本を読んでいる。日経新聞の「愛の…

2015/3/6

ちょっと久しぶりにCDを買った。ドレスコーズ「1」と、DON MATSUOの「Arcadia Blues 」。今日の行きと帰りに1回ずつ聴いた。ドレスコーズの、もうがまんはやだ、と、妄想でバンドをやる、に少し泣かされる。平熱な気分で聴いていたはずなのに、シマさんはと…